渓流魚(イワナ・ニジマス)の魅力と不思議にせまる

渓流釣りの代表格であり、食用としても人気が高いイワナとニジマス。これらの渓流魚の魅力は、身の美味しさだけでなく不思議な生態もそのひとつになっています。

渓流食堂を運営する白山堂では、白山の原種のイワナに加えニジマスも養殖しています。イワナとニジマスは、白山以外でも日本全国各地で、さらには世界でも多く存在しています。

いずれの場所でも、地元の人々に愛され親しまれてきました。そんな中、人々が驚く生態が歴史と共に紐解かれてきています。

今回は少し不思議で、とても魅力的なイワナとニジマスについてお話しします。

イワナの不思議にせまる

イワナはサケ目サケ科イワナ属の魚です。主に上流域に生息し、「渓流の王者」と表現されるほど雄大な魚とされています。体に白斑があり、背中は褐色で腹部が少し黄色いのが特徴です。

身は淡白で上品。癖がなく旨味がつまっているため、グルメな人が好む川魚です。そんなイワナの不思議を見ていきましょう。

不思議<1>なんでも食べる?

イワナが「渓流の王者」と呼ばれる所以は、獰猛な性格にもあります。「渓流を流れるものならなんでも食べる」と言われるほど、食に対してアグレッシブな魚。時にはネズミやサンショウウオを食べたとされる例もあります。

嵐が来る前には川底の砂を食べ、自らの体を重くして激流にじっと耐える、という話しもあります。(※1)このようなことから「悪食」と揶揄されることもありますが、言い換えれば生命力が強いということ。自らが生きるための手段だと考えたら、その強さに感服すらします。

もちろん、白山堂で養殖しているイワナは上質なエサのみを与え厳重に管理していますのでご安心くださいね。

☑参考

※1「イワナと人の自然誌」あきた森づくり活動サポートセンター
http://www.forest-akita.jp/data/iwana/iwana-02.html

不思議<2>イワナは歩く?

「イワナが歩く」という話があります。魚が歩くとは、どういうことなのでしょうか?

通常、魚は水が無い場所では身動きがとれなくなります。しかしイワナは元々水が少ない上流域で暮らしていたことから、水のある場所まで身体をくねらせて移動することができるそうです。その姿が「まるで歩いているようだ」と言われています。

胸ヒレが大きいことも、陸上で体を支えられる理由のひとつでしょう。(※2)

イワナを釣った際には、水辺近くに置いておかない方が良いかもしれませんね。

☑参考

※2「仰天映像!歩くイワナ」知識の宝庫!目がテン!ライブラリー
http://www.ntv.co.jp/megaten/archive/library/date/05/07/0710.html

不思議<3>イワナは臆病?

イワナは獰猛さが目立つのに対し、実は臆病な一面もあることで知られています。一度人影を見ると、岩陰からなかなか出てこないようです。

イワナは水面に落ちてくる虫を食べたり、水上から襲ってくる鳥を警戒したりすることから目が上向きについていると言われています。視野が広いため、人影に気づきやすいのでしょう。(※2)

不思議<4> イワナのイクラは赤色ではない

イクラと聞くと赤く光ったものを想像する方が多いと思います。しかし、イワナのイクラは赤くないのです。

サケは海でも生活するため、その際にオキアミやカニなどの甲殻類から出る赤い色素を取り込みます。それがサケの卵を赤くする理由です。

日本のイワナはほとんどが淡水で一生を過ごすため、赤い色素を体内に入れることがありません。そのため、イワナのイクラは卵本来の色である黄金色になります。(※3)

イワナのイクラ

その味はサケのイクラにもまったく引けをとらないほど。くさみがなく、プチっと美味しさがはじけ飛びます。

白山堂の「岩魚の輝いくら」は、自社で養殖したイワナから手作業で丁寧に採取し、急速冷凍しています。

輝きいくら丼

黄金色のいくらを、鮮度を高く保ったままご自宅にお届けしています。ごはんにかけてもお酒のおつまみにしても楽しめる一品となっています。

☑参考

※3「近畿大学が開発中の「黄色いイクラ」…なぜ黄色くなる?味は?」FNN PRIME
https://www.fnn.jp/posts/00049217HDK/201912021210_FNNjpeditorsroom_HDK

ニジマスの不思議にせまる

ニジマスは、イワナと同様サケ科に属する魚です。小さな黒点や朱色のラインがあることが特徴です。

ニジマスは脂がのっているので刺身で食べても非常に美味しい魚です。身の色も紅色がかった美しい色で、味・見た目ともに魅力的なことも人気の理由になっています。そんなニジマスの不思議にせまってみました。

不思議<1>ニジマスの降海型と陸封型は違う種類とされていた?

ニジマスもサケと同様、海に降りる個体が存在します。一般的に海に降りる魚を「降海型」、淡水で一生を過ごす魚を「陸封型(河川残留型)」と言います。日本のニジマスはほとんどが陸封型です。

ニジマスの降海型は100㎝を超えることもあり体の色も暗くなるため、渓流に留まるニジマスとはまったく違う見た目になります。(※4)

そのため、かつては違う種類の魚だと思われていたこともありました。陸封型のニジマスを「レインボートラウト」と呼び、降海型のニジマスを「スチールヘッド」と呼ぶのも、その名残だと言われています。

☑参考

不思議<2>昔はニジマス属だった?

今でこそニジマスは太平洋に生息するサケに近いとされ「サケ属」に属されるようになりましたが、以前は「ニジマス属」に分類されサケとは別だと考えられていた時期があります。(※5)

その後、属のレベルでニジマスと他の太平洋サケ・マスを区分する生物学的基盤が存在しないと結論が出て、一律で「サケ属」となりました。

ちなみにサケ属は、背中の後ろに「アブラひれ」という小さなひれを持つことが特徴です。他に共通点として、川底に穴を掘って産卵することが挙げられます。(※6)

☑参考

※5「にじます【虹鱒】」大阪市中央卸売市場
http://www.shijou.city.osaka.jp/sikyoportal/?page_id=4133

※6「日本のサケ科魚類」国立研究開発法人水産研究・教育機構 北海道区水産研究所
http://salmon.fra.affrc.go.jp/zousyoku/syurui.html

不思議<3>ニジマスは産卵を繰り返す?

サケのメスは卵を産み終えたら死んでしまうと言われています。つまり産卵は1回のみ。しかし同じサケ科に属するニジマスですが、中には産卵を繰り返す個体もいます。

ニジマスの寿命は5~6年ですが、その間2~3回卵を産むことがあります。(※5)自らの遺伝子を残そうとする力が強い魚なのですね。

不思議<4>アトランティックサーモンにも劣らぬ味わい

大西洋サケのアトランティックサーモンは子どもや女性を中心に人気がありますが、ニジマスの身も引けをとらないほど美味しいです。脂が多いアトランティックサーモンと比べて、さっぱりと上品な脂身を堪能できます。

白山堂でも「白山べに鱒の昆布〆」という商品を取り扱っています。自社で丁寧に育てたニジマス(白山べに鱒)を北海道産高級昆布で包んだ昆布〆は、ふっくらとした身で刺身とはまた違うねっとりとした食感が絶妙です。子どもからご高齢の方まで幅広く人気がある商品となっています。

いかがでしたか?今回はイワナとニジマスの不思議な生態についてご紹介しました。

どちらの魚も生きる力が強いことが分かりますよね。その力の根源が、身の美味しさにもつながっているのでしょう。

記事内でご紹介した「岩魚の輝いくら」「白山べに鱒の昆布〆」以外にも、当店ではイワナとニジマスを使った料理を数多く取り扱っています。

不思議な生態に思いを馳せながら、渓流料理を楽しんでみてくださいね!

淡水養魚場「白山堂」
石川県白山市、山の麓にある淡水養殖場です。イワナ、ヤマメ、ニジマスなどを創業の70年前より3代に渡って育てています。料理やレシピの他、養殖場の様子や出来事などを更新しています。

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