イワナ、川魚料理専門の産直養魚場「白山堂」公式サイト

川魚(淡水魚)で有名なものはなに?特徴と注意点を紹介します

投稿日:2019年4月5日

「川魚」は「かわざかな」や「かわうお」と呼び、淡水に住む魚のことをいいます。みなさんは「川魚」と聞いて思い浮かべる魚は何でしょうか?

キャンプやイベントに行ったときに食べた、つかみ取りや釣り堀でとった、郷土料理屋で出てきたなど、様々なご経験があるのではないでしょうか。

今回は、川魚(淡水魚)の特徴食用の注意点をお伝えし、川魚で有名なものをご紹介していきます。

川魚で有名な食用魚はなに?

日本では、昔から食用とされてきた川魚があります。

川魚を使った料理は伝統食としても知られています。食用魚にどんなものがあるのか、早速みていきましょう。

岩魚(イワナ)

深瀬イワナ

「岩魚(イワナ)」は渓流や清流でかつ上流でしか釣れない魚です。なので希少価値が高くなっています。

渓流の岩魚を見たいというファンもいるほど観光資源にもなっており、生息域から「幻の魚」「渓流の王者」ともいわれる魚です。

市場に出回る岩魚はほとんどが養殖のものが多いです。川魚特有の臭みが少なく、しっかりとした淡白な肉質が人気です。

当養魚場で販売しているのはこの魚です。

鮎(アユ)

鮎

一度は食べたことがあるという人が多い「鮎(アユ)」も川魚の代表格です。

清流に行くと目にすることが多いですし、人工的に放流されている川もあるため、なじみのある川魚といえます。

鮎はキレイな川の藻やコケを食べて育つので、臭みが少なく味も良いと人気です

養殖も盛んなので、旅館やホテルだけでなく、スーパーなどでも見かけるほどの流通量があります。

淡水魚に分類されている鮎は、あまり知られていませんが海でも生息しています。秋に川で産卵し、孵化すると海にくだり、春に川にのぼってくる魚なのです。

虹鱒(ニジマス)

虹鱒

続いては「虹鱒(ニジマス)」です。体の横に直線状に赤い模様があるのが特徴で、のようにもみえる魚です。

「レインボートラウト」「スチールヘッド」とも呼ばれています。虹鱒は、淡水で一生暮らすものと、海にくだるものがいます。

成長が早く病気にも強いため、品種改良が重ねられ、世界中で養殖されています。

身の色は、サーモンピンクで美しく、味が良いのが特徴です。観光資源としても活用されており、管理された釣り場などでは人気があります。

山女魚(ヤマメ)

山女魚

「山女魚(ヤマメ)」は、「渓流の女王」と言われることがあります。「渓流の王者」と言われる岩魚に対して、体長が少々小ぶりです。

一生を川で過ごし、体に楕円形の模様があるのが特徴的です。

警戒心が強くなかなか釣れない川魚ですが、現在は養殖もされています 身は淡泊な白身で味わいがあります。

鮭(サケ)

鮭

「鮭(サケ)」は、淡水の川で生まれ、海で大きく成長します。川でも海でも生息する魚として有名ですが、一般的には淡水魚に分類されています。

産卵のため、夏~冬にかけて川に遡上、回帰してきます。卵は「いくら」としても人気ですよね。 体長は80センチ前後にもなり川魚としては大型です。

とれる時期によって、例えば初夏なら「時鮭(時知らず)」、秋なら「秋鮭」と言って、とれた場所や季節で味わいも価格も変わります。

特にプレミアムな「鮭児」(秋鮭の中でもほんの少ししかとれない超高級魚)以外は、比較的安価で1年中手に入る魚です。

鰻(ウナギ)

鰻

高級魚の「鰻(ウナギ)」は川で生息すると思っている人が多いようですが、実は海にもいます。

淡水魚の鰻は、一般的に海で生まれた後、川に遡上して成長し、産卵期を迎えるとまた海に戻ります。

鮎や虹鱒、鮭と同じで、淡水にも海水にも両方に適応できる魚「降河回遊魚(こうかかいゆうぎょ)」とされています。

昔から高級な食材でしたが、近年では養殖が盛んで、台湾や中国などからも輸入されています。

逆に言うと、天然の国産もの非常に少なく高価です。鰻人気もあり、1年中手に入る魚になりました。

川魚の特徴

川魚は昔から重要なタンパク源で、特に山間部や川沿いの地域では、食生活に欠かせないものでした。

ところが、欧米型の食事が普及するにつれて、魚自体の消費量は激減。近年では、日常的に川魚を食べる機会がほとんどなくなっています。

ところで、川魚を含む淡水魚と、海に住む海水魚の違いをご存知でしょうか。

川魚(淡水魚)は塩分濃度の低い淡水で生息できる魚です。一方で、海水魚は塩分濃度が高い海水で生存できます。

つまり、塩分濃度の関係で、それぞれに浸透圧の影響が変わり、体のつくりが異なっているのです。ただし、淡水でも海水でも、どちらでも生活できる魚もいます。

川魚は寄生虫がいて生で食べることができないはホント?

以前、弊社が行ったアンケート「川魚は泥臭いイメージがある」「寄生虫が心配」という回答が複数ありました。

確かに、野生のコイやドジョウなどは、数日程度はキレイな水で泥臭さを消す作業が必要になると思います。

また、確かに川魚は寄生虫がいるので生食できないと言われたものでした。

ただ、養殖技術の向上により、変わってきています。水産庁の白書では、以下のような報告もあります。

『日本では昔からサケ・マス類を刺身で食べませんでした。これは、サケ・マス類はまれにアニサキスやサナダムシに寄生されている場合があり、そのようなサケ・マス類を生で食べることでこれら寄生虫に感染することを防ぐためです。(中略)アニサキスやサナダムシは加熱のほか、−20℃以下で24時間以上冷凍すると死滅する(中略)寄生虫が存在しない配合飼料を餌として養殖することにより、刺身で食べても安全なサケ・マス類が初めて生産できるようになりました。サケ・マス類(サーモン)の刺身や寿司が普通に食べられるのも、サケ・マス類の養殖技術が確立したことによるものです。』(※1) 参考  ※1「第1章 特集 養殖業の持続的発展」『平成25年度水産白書』水産庁 http://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h25/attach/pdf/25suisan1-1-1.pdf

確かに野生の川魚をとったからといって生で食べるのは危険です。

野生の環境は、整備されていないので寄生虫も当然います。肝吸虫や有棘顎口虫など、人体に悪影響のある寄生虫をもつ個体もいます。

川魚の寄生虫については、次回の記事で詳しくお伝えしようと思いますが、知識なしで生食するのは避けるのが無難です。

この点では、野生ではない養殖の川魚であれば、養殖場整備や餌の工夫で寄生虫リスクはぐっと下がります。

川魚を味わってみよう!

この他にも有名な川魚として、「鵜食(ウグイ)」や「鰍(カジカ)」、「泥鰌(ドジョウ)」に「鯉(コイ)」、「鮒(フナ)」もあります。さらに「川エビ」や「川カニ」など、川でとれる食用魚は多数います。

いずれも、地域の伝統食文化と深いつながりがあり、郷土料理として愛されているものも多いです。川魚は、人々の暮らしに寄り添って、長く親しまれてきたものなのですね。

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